労働者派遣法改正に伴う単発派遣勤務を希望する看護師への影響
労働者派遣法が改正され、平成24年10月1日より施行されています。派遣という勤務スタイルは定着していて、看護師の方々の中にも派遣を利用して働いている方はたくさんいます。法律の改訂により禁止になった事項もあるようです。労働者派遣法の改正が単発仕事などの派遣を望んでいる看護師にどのような影響があるのか、考えてみましょう。
派遣料金というのは、「派遣会社が該当者に払うべき賃金」と「派遣会社が受け取るマージン」から成り立っています。従来の派遣でも、日給(あるいは月収換算で)で賃金がいくらになるかという説明はありました。改定後は、マージン率が労働者にも明示されます。また、派遣先と労働契約を締結する前に、派遣会社の運営状況、見込み賃金や待遇(派遣先での)、労働者派遣法の説明がきちんとなされるようになります。
マージン率は派遣会社によっていろいろですが、会社の事業運営などと合わせて考えれば、良い派遣会社を選択する基準を自ら持てるのではないでしょうか。
・派遣先の社員との給与の差に関して
派遣では、派遣先の社員との給与差や待遇などにかなり開きがあり、派遣社員は弱い立場に追いやられることも少なくなかったようです。しかし、改定後は、給与などにおいて、派遣社員と社員の均衡を保つように配慮されます。特に、看護師などの専門職の方々は、能力や経験なども配慮されますので、賃金が高くなる可能性もあるようですね。また、福利厚生なども社員と同等のものが与えられる可能性も出てきます。
・期間限定でない雇用へ変更できる!?
従来の派遣は、基本的に期間限定の勤務でした。極端な言い方をすると、3ヶ月の派遣を何本こなしても、期間の定めのない雇用に変わることは有り得ませんでした。ところが、改定後は、雇用期間が通算1年以上の派遣社員に対して、無期限の雇用が可能になります。これは、自ら希望を伝えることができるのですよ。つまり、派遣先が気に入ったのならば、自らの意思で期間のない雇用が実現できるのです。派遣をこなしている看護師さんは、直接雇用される可能性が格段に高くなるということですね。
・日雇い派遣に関すること
改正で、30日以内の雇用では日雇い派遣が禁止されることになりました。看護師の中には単発(1日の仕事)アルバイトをしている方も多いのですが、この場合の扱いはどうなるのでしょうか?単発派遣を本業としていない、あるいは単発派遣を利用する人が主な生計者(家庭なら夫)でない場合には、1日の単発派遣も認められます。独身看護師の場合は、単発派遣が副業であることが前提と考えた方がいいですね。